アルファロメオたちを従えたルノーキャトル。なんと10年も昔のショットだが昨日の事のような気がする。

現在ルノーフリークとなっているジャン氏が初めて所有したルノーがこの4(キャトル)だ。

当時、私を含めてシトロエン2cvやらミニやらヨーロッパ大衆車が仲間内で流行していた。その流れに沿ってジャン氏も10万キロ強走ったピアッツアからルノー4の新車に乗り換えた。デイーラーの話では、このアーモンドグリーンのボデイカラーは、日本に何台もない稀少色だという事だったがフレンチブルーなどに行くと結構同じ色を見かけたものだ。

フル装備のピアッツアから乗り換えという事でこのクルマにはデイアビア製のクーラーが装着されていた。その上排気量は1100ccもあるし、私の乗っていた2cvに比べるとはるかにまともな自動車でうらやましいなと思ったものだ。まあ、クーラーの利きは今から考えると誠にささやかなものだが。

あれから4,5年の休息を経て、キャトルは再び車検を取って路上を走った。あらゆる機関に手を入れ、新車でもこうはいかないという位、抜群に調子が良くなった。だが、それもつかの間、ジャン氏は新たなアイテム、アルピーヌの為に惜しくもキャトルを手放すことにした。

この写真はかなり後の頃で珍しいATSの3穴のアルミホイールを履いている。フロントシートは初代ルノー5のペタル(花弁)シートと交換して絶品の乗り心地を得ている。

ルノー4は4cvの後継、そしてシトロエン2cvのライバルとして1961年にデビュー。ルノーのFF車の先駆けとなったクルマだ。様々なマイナーチェンジを経て1992年まで生産され、2cvと共にフランスの風物詩となった。今、改めてキャトルを見ると中国製の玩具のような素朴さとチープさがかえって微笑ましい。

この後にデビューしたルノー6は、キャトルを全てモダナイズしてサイズアップしたものだったが、あたかもシトロエン2cvとデイアーヌの関係のように元祖より長生きする事はなかった。