1964トヨペット コロナ1500デラックス

子供の頃、親戚が乗っていたコロナライン(コロナのバン)が忘れられなくて個人売買で売っていたものを探して購入した。
当時は一生乗るつもり(笑)だったのでトヨタ共販に足繁く通ってパーツを買い集めた。

驚いた事にその当時はレンズ類やゴム類、挙げ句の果てはバンパーやサイドモールまで新品部品が注文できたのだ。こういう所でも量産されたクルマは強い。

コンパーノはダイハツにかけあっても、ほとんど部品が出なかったものなあ。
所有していた時期はほとんどコンパーノと重複する。

交互に足に使ってこれで高速に乗って遠出もしたが、今考えるとシートベルトが一切ないベンチシートでのツーリングはかなり怖いものがある。

ま、古いクルマならベルトが付いていても危険さは一緒か?
その間、立ち往生したり機関が不調を起こした事は一度もなかった。本当にトヨタのクルマは丈夫で信頼性が高い。
書いていて思い出したが、トラブルというか、ちょっとした癖がひとつあった。時々ギアが噛んでミッションが入らなくなるのだ。
これはコロナに限らず、当時のクラウンなどトヨペット車によくあった現象らしい。

そういう時、トヨペット乗りはあわてず騒がずおもむろにボンネットを開けて噛んでしまったシフトリンケージをガシャンと手でおろすのだ。
私も時々、町中でそれをやって、いかにも訳知りなエンスー風情を気取ったのものである。

レストア後の写真なのでぴかぴか。当時のオペルカピテーンあたりに似たフロントスタイルをしている。
オペルということは元を正せばGM系のスタイリングに範を取るということか?

テールレンズがピンと立ったリアスタイルが格好良い。

当時、ピニンファリーナがコロナのスタイルを誉めたという逸話が残っている。まだまだ黎明期の国産車のスタイルを御大ピニンが誉めるなんて、ホントなら大変なことだ。

白いステアリングがお洒落なインテリア。

タイヤは珍しいホワイトリボンタイヤだが、これは個人売買でブリジストンのスカイウェイのデッドストックを入手したものだ。
シートは当時のデラックスモデルで定番の西陣織り。ちゃんとボデイのグリーンに合わせてある。
操作系で変わっているのはウインカーだ。ハンドルに付いているメッキのホーンリングを左右に曲げることでウインカーが
点滅するのだ。当時のクラウンも同じ形式を取っているのでトヨタは本気でこの方式が使いやすいと思っていたのだろう。
ガソリン給油口がリアのナンバープレート裏にあるのも今となっては珍しい。3代目コロナRT40も同じ位置にある。
更に古い観音開きクラウンなどはなんと、左テールレンズがカパッと開いてそこに給油口がある。

入手してから数年後、パーツも貯まってきたし、一生乗ることを考えレストアを敢行することにした。
だが結論を言うと、決して満足のいく出来にはならなかった。古いクルマはけっして新車にならないという事を
思い知った。これならレストア前の枯れたたたずまいの方がいいなとも思った。
あれほど入れ込んだコロナだがこれを機会に急速に気持ちがさめていった。

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